大家おほや)” の例文
「それはもう、鹽磨きで、水の使ひやうが荒過ぎるつて、大家おほやさんから小言こごとをくひましたよ、何しろ若くて獨り者で、良い男だ」
入間道いりまぢ大家おほやが原のいはゐづら引かばぬるぬるにな絶えそね (同・三三七八)
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
大家おほやさんは何処か聞いてみませう。
百三十二番地の貸家 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
押鎭おししづめ誰かと思へば大家おほやさん大層たいそう御機嫌で御座りますねヘイヤ澤山たんともやらねど今其所そこ一寸ちよつと一杯やつたばかりさ夫はさうとお光さん今日新版しんぱんの本が出來できて未だ封切ふうきりもしないのが澤山あるが日がくれたらせめだけも見にお出そして今夜は母親おふくろは大師河原の親類へ泊りがけにと行て留守うちには吾儕わたし一人限ひとりぎりゆゑ必ずお出の色目づかひお光はうらみ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
大家おほやひさしの下を通して貰ふか、ましらのやうに足場をぢ登るか、でなければ、表通りをグルリと廻る外はありません。
大家おほやか借金取か、それとも叔母さんか」