大嘗会だいじょうえ)” の例文
旧字:大嘗會
一切経会いっさいきょうえ、御八講、祈雨御読経きうみどきょう、御逆修ぎゃくしゅ、塔供養、放生会ほうじょうえ、——それらは賀茂祭かもまつり五竜祭ごりゅうさい大嘗会だいじょうえなどと異なるところがない。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
大嘗会だいじょうえが行なわれるはずであったが、新都には大極殿も、即位の大礼を行なうべきところはなく、清暑堂もないので神楽かぐらを奏する場所もない。
千載集せんざいしゅう』の神祇部じんぎぶに、久寿きゅうじゅ二年の大嘗会だいじょうえの風俗歌に、悠紀方ゆきがたとして詠進した歌は、近江おうみ木綿園ゆふぞのを地名として詠じている。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「京都において大嘗会だいじょうえ御執行相成りそろてより日限にちげんも相立たざる儀につき、太郎兵衛事、死罪御赦免仰せいだされ、大阪北、南組、天満てんまの三口御構くちおかまいの上追放」
最後の一句 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
されば帝舜が天子の衣裳に十二章を備えた時、第五章としてこの猴と虎をぬいとりしたのを、わが邦にも大嘗会だいじょうえ大祀たいしの礼服に用いられた由『和漢三才図会』等に見ゆ。
践祚大嘗会だいじょうえ等の大儀に、彼らが列して、所謂国栖の奏をとなえ、土風の歌舞を演ずる事は儀式上著名な事で、大正御大典の時にも、伶人が国栖代として、これを奏したと承っている。
国栖の名義 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
それはあの方が何時になくいろいろとあの子の御面倒を見て下さって、今度の大嘗会だいじょうえには何かろくを給わらせよう、それから元服もさせようなどと、おっしゃり出しているのでも分かるのだった。
かげろうの日記 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
元日やこの秋にある大嘗会だいじょうえ
俳句の作りよう (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
古くからの例では大嘗会だいじょうえの標の山などは、記憶もない昔から音読した。これも御式の霊地を劃した堺の木であった。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
低くたれこめた曇り空からあられが降って来ると、その淋しさは一層つのるばかりで、屋島に残る平家の一門は都の事ばかり考えて暮していた。その頃都では、大嘗会だいじょうえのため、御禊ごけいの行幸があった。