塔中たっちゅう)” の例文
在英中土宜法竜僧正から『曼荼羅私鈔』を受け読みかじると、塔中たっちゅう三十七尊を記せる内、阿閦あしゅく、宝生、無量寿、不空成就ふくうじょうじゅの四仏がまんの四菩薩を流出して大日如来を供養し(内四供養うちのしくよう
あるいはまた麻布広尾橋あざぶひろおばしたもとより一本道のはずれに祥雲寺しょううんじの門を見る如き、あるいは芝大門しばだいもんへんより道の両側に塔中たっちゅうの寺々いらかを連ぬるその端れに当って遥に朱塗しゅぬりの楼門を望むが如き光景である。
一箇所大きい寺のあるあたりには塔中たっちゅうまた寺中じちゅうと呼ばれて小さい寺が幾軒も続いている。そして町の名さえ寺町てらまちといわれた処は下谷したや浅草あさくさ牛込うしごめ四谷よつやしばを始め各区に渡ってこれを見出すことが出来る。