くち)” の例文
「いや。訊くまでもない。実際、風呂にはいっていたならば、突然に消えてしまう筈がないじゃないか。」と、遠泉君は傍からくちを出した。
五色蟹 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
彼等かれらまさにこれを石盤せきばんきつけんとしたときに、白兎しろうさぎくちれて、『不必要ふひつえう御座ございます、陛下へいかよ、まをまでもなく』とはなはうや/\しく、しかまゆひそめてまをげました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
その暗い顔色をみて、半七は何を頼みに来たのかと考えながら挨拶していると、亀吉が横合いから引き取ってくちを出した。
半七捕物帳:50 正雪の絵馬 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
あたしがそばからくちを出して、たしかに見覚えがある、それは水沢さんのステッキに相違ないと言ってやりました。
探偵夜話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「堀口はしきりに気にしているようだが、一体その婆がどうしたというのだ。」と、主人の織衛もくちをいれた。
妖婆 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「あなたも現場へ出向かれたのですか。」と、佐山君はくちをいれた。
探偵夜話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「あなたも現場へ出向かれたのですか。」と、佐山君はくちをいれた。
火薬庫 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「まったく残念だ。」と、久助は横合いからくちをいれた。
(新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「甚吉の家の奴らだろうな。」と、秋山はくちをいれた。
真鬼偽鬼 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「爺さん、れえ」と、幸次郎はくちれた。
半七捕物帳:47 金の蝋燭 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)