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唐物
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とうぶつ
ふりがな文庫
“
唐物
(
とうぶつ
)” の例文
糸の取引をしたり、
唐物
(
とうぶつ
)
の輸入をしたり、金銀の
口銭
(
こうせん
)
を取ったり、その富の力の盛んなことは、外国までも響き渡るほどの大尽でありました。
大菩薩峠:16 道庵と鯔八の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
三四郎は其
夕方
(
ゆふがた
)
野々宮さんの所へ出掛けたが、時間がまだ少し
早過
(
はやす
)
ぎるので、散歩かた/″\四丁目迄
来
(
き
)
て、
襯衣
(
シヤツ
)
を買ひに大きな
唐物
(
とうぶつ
)
屋へ
入
(
はい
)
つた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
唐物
(
とうぶつ
)
(洋品)の
商法
(
あきない
)
をするもの。この三つの者は勤王攘夷の敵と認めて
誅戮
(
ちゅうりく
)
を加える。ただし、私欲でもって人民の財産を強奪することは許さない。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
それが運よく成功して、表向きは博多の町に
唐物
(
とうぶつ
)
あきないの店を開いているが、その実は長崎奉行の眼をくぐって、いわゆる海賊を本業としていたのである。
心中浪華の春雨
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「横山町の
唐物
(
とうぶつ
)
問屋を探して、オランダ物の直しをする家を見付けて来るよ」
銭形平次捕物控:053 小唄お政
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
助「なアに、当時は
己
(
おれ
)
も損をして
商売替
(
しょうべいげえ
)
をしべいと思って、
唐物
(
とうぶつ
)
を買出しに来たゞが、
馴染
(
なじみ
)
が少ないから横浜へ往って
些
(
ちっ
)
とべい買出しをしべいと思って東京でも仕入れようと思って出て来た」
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
今のような百貨店配達や小売店網がまだゆきわたらなかった過渡期には、背負い呉服やら、
唐物
(
とうぶつ
)
、薬種、雑貨荒物、文房具、煮豆の類まで、多くは行商人たちの足が各戸の需要にこたえていた。
忘れ残りの記:――四半自叙伝――
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
だから日本の文学者が、好んで不安と云ふ
側
(
がは
)
からのみ社会を
描
(
ゑが
)
き出すのを、舶来の
唐物
(
とうぶつ
)
の様に見傚してゐる。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
半分まだ江戸の町を見るような
唐物
(
とうぶつ
)
店、荒物店、
下駄
(
げた
)
店、針店、その他紺の
暖簾
(
のれん
)
を掛けた大きな問屋が黒光りのする土蔵の軒を並べた商家の空気の濃いところにすら見つける。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「ちょうど田原屋の
唐物
(
とうぶつ
)
みたいなもので——」
銭形平次捕物控:052 二服の薬
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
だから日本の文学者が、好んで不安と云う側からのみ社会を描き出すのを、舶来の
唐物
(
とうぶつ
)
の様に
見傚
(
みな
)
した。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“唐物”の解説
唐物(からもの)とは、中世から近世にかけて尊ばれた中国製品の雅称である。狭義には宋、元、明、清時代の美術作品を指す場合もある。なおこの場合の「唐」は広く中国のことを指し、唐時代に作られたという意味ではない。
また、江戸時代以後「唐物屋」など長崎貿易で扱う舶来品全般を唐物とする場合がある。
(出典:Wikipedia)
唐
常用漢字
中学
部首:⼝
10画
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
“唐物”で始まる語句
唐物屋
唐物店
唐物商
唐物緞子
唐物類
唐物問屋