唇辺くちびる)” の例文
頭巾ずきん黒く、外套がいとう黒く、おもておおひ、身躰からだを包みて、長靴を穿うがちたるが、わずかこうべを動かして、きっとその感謝状に眼を注ぎつ。こまやかなる一脈いちみゃくの煙はかれ唇辺くちびるめて渦巻うずまきつつ葉巻はまきかおり高かりけり。
海城発電 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
頭巾ずきん黒く、外套がいとう黒く、おもておおい、身体からだを包みて、長靴を穿うがちたるが、わずかにこうべを動かして、きっとその感謝状に眼を注ぎつ。こまやかなる一みゃくの煙はかれ唇辺くちびるを籠めて渦巻きつつ葉巻のかおり高かりけり。
海城発電 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)