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和議
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わぎ
二氏のごときは
正しくこの局に当る者にして、勝氏が
和議を主張して幕府を
解きたるは誠に
手際よき
智謀の功名なれども、これを解きて主家の
廃滅したるその廃滅の
因縁が
或は言を大にして
墻に
鬩ぐの禍は外交の策にあらずなど、百方
周旋するのみならず、時としては身を
危うすることあるもこれを
憚らずして
和議を
説き、ついに江戸解城と
為り
維新前後の
吾身の
挙動は一時の
権道なり、
権りに
和議を講じて
円滑に事を
纏めたるは、ただその時の
兵禍を恐れて人民を
塗炭に救わんが
為めのみなれども、本来
立国の要は
瘠我慢の一義に
在り