同腹どうふく)” の例文
白日子王しろひこのみこは天皇のご同腹どうふくの弟さまでいらっしゃいました。それだのに、この方も同じく平気な顔をして、すましておいでになりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
「その怪しい奴が女じゃとは、ますます不思議な沙汰さた、さては、女中どもの中に、一八郎と同腹どうふくのやつが住み込んでいるのではないか」
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さもなけりゃ同腹どうふくだろう。手前らが櫓裏の二階にいて、これだけの物が運び出されるのに気がつかねえはずはなかろう。
つくせしゆゑ千太郎の代とも成るならば舊の支配人に召使めしつかはんとかたく約束なし千太郎より書面しよめん迄も久八へ渡し置千太郎も久八が忠義の異見いけん骨身ほねみ染渡しみわたり一旦迷ひし小夜衣も長庵のめひなれば五十兩のかたりも同腹どうふくにてなしたる事ならんと思ふ故愛想あいそもこそもつき果しかば其後は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
すると、黒日子王くろひこのみこは天皇のご同腹どうふくのおあにいさまでおありになりながら、てんで、びっくりなさらないで平気にかまえていらっしゃいました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
おれはこの話を聴いた最初から、船頭どもが同腹どうふくでなければ出来ぬ仕事だと思っていた。そこでいろいろかんがえて見ると、遠島船にはむかしから弱い尻がある。
顎十郎捕物帳:13 遠島船 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「いえいえ私はそんなまちがった心は持っておりません。けっして中津王なかつのみこなぞと同腹どうふくではございません」
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)