吊台つりだい)” の例文
旧字:吊臺
翌朝深淵の家へは医者が来たり、警部や巡査が来たりして、非常に雑遝ざっとうした。夕方になって、布団をかぶせた吊台つりだいき出された。
鼠坂 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
その中には、大身たいしんから贈る祝い物であろう、これ見よがしにしもべになわせて、月輪殿つきのわどのを訪れるらしい幾荷いくか吊台つりだいも通って行った。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
戸板を持って来い、吊台つりだいのようにひもを掛けて、下に蒲団を敷いて、などと医者が指図をした。
さぶ (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
それから一両日も経つた夕方、吊台つりだいが玄関前につけられて、そして病院にかつぎこまれて、手術をして、丁度八日目に死んだのである。腸の閉鎖と、悪性の梅毒に脊髄せきずゐをもをかされてゐたのであつた。
哀しき父 (新字旧仮名) / 葛西善蔵(著)
それからなお五日ほどして、父を吊台つりだいに乗せ、医者が付き添って、金之助たちは宿を出立した。城下まで四日半かかったが、病人はさして変りがなく、むしろ幾らか調子が好くなってさえいた。
落ち梅記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
吊台つりだいの中の病人の延びた頭髪かみのけが眼に入ることもあつた。
哀しき父 (新字旧仮名) / 葛西善蔵(著)
吊台つりだいで運ばれていった。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
吊台つりだいで運ばれていった。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)