召仕めしつかい)” の例文
職務柄客の出入でいりの多いこの家の用事には、それだけの召仕めしつかいが必要かも知れなかったが、もし経済が許さないとすれば、その必要もたされるはずはなかった。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
京都きょうとの画工某のいえは、清水きよみずから高台寺こうだいじく間だが、この家の召仕めしつかいぼく不埒ふらちを働き、主人の妻と幼児とを絞殺こうさつし、火を放ってその家をやいた事があるそうだ
枯尾花 (新字新仮名) / 関根黙庵(著)
女芸一通りは出来たので、お国に落ちついてからは、召仕めしつかいに習字のお手本を書いて渡したとか聞きました。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
実は召仕めしつかいのお國と宮野邊の次男源次郎ととくより不義をしていて、先月あとげつ廿一日お泊番とまりばんの時、源次郎がお國のもとへ忍び込み、お國と密々ひそ/\話して居る所へうっかりわたくしがお庭へ出て参り、様子を聞くと
何かの意味で保険の付いていない人にのみ酷薄であった債権者は直ちに彼の門にせまった。官邸を引き払った時に召仕めしつかいの数を減らした彼は、少時しばらくして自用俥じようぐるまを廃した。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)