古器物こきぶつ)” の例文
壁には名も知らない人の油繪やら、大きな世界地圖やら、アイノの刺繍ししうやらが掛つてゐる。一隅の三角棚には、土人の古器物こきぶつも二三据ゑてある。
泡鳴五部作:05 憑き物 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
竪穴の形は方形、長方形、圓形、橢圓形、瓢形等にて一つの穴の大さは八疊より十五疊迄を常とす。竪穴の中よりは古器物こきぶつの他に、灰及び燒け木の出づる事有り。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
抽斎は平素を鑑賞することについては、なにくれとなくおしえを乞い、また古器物こきぶつ本艸ほんぞうの参考に供すべき動植物をするために、筆の使方つかいかた顔料がんりょう解方ときかたなどを指図してもらった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
此処こゝ御案内ごあんないとほ古器物こきぶつ骨董こつとう書画類しよぐわるゐあきなかた中々なか/\面白おもしろい人でございます。
牛車 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)