口移くちうつ)” の例文
安くしてたのみますと言ふに城富ハイ夫は何寄なにより以て有がたう存じます何卒どうぞお願ひ申ますと是より口移くちうつしに道行の稽古けいこより始めて段々とならひ込んで生涯しやうがいの一藝にせんものを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
役目の表にはないことだがと御奉行樣の口移くちうつしに、笹野樣から折入つてのお話があつたのだよ
此の御本ごほんの先生を、う其は……贔屓ひいきな夫人があつて、其のかたが私を飼つて、口移くちうつしにを飼つたんです。私は接吻キッスをする鳥でせう。してね、先生のとこへ贈りものになつて、私は行つたんです。
貴婦人 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)