取消とりけし)” の例文
私の所へ直接にはかけ合わなかったけれども、当時私の下働きをしていた男に取消とりけしを申し込んで来ました。それが本人からではないのです。
私の個人主義 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
今更子供の取消とりけしも出来ないので、困つた事をしたものだと、可愛かあいらしい顔をしかめてゐたが、仕合しあわせ小才こさいの利いた男が
さうして被害者ひがいしやから事實じじつ相違さうゐしたといふ意味いみ取消とりけしせばそれでいといふことにまではこびがついた。微罪びざいといふのでそのすぢ手加減てかげん出來できたのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
帰りがけに新聞屋に談判に行こうと思ったが、学校から取消とりけしの手続きはしたと云うから、やめた。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)