原書げんしょ)” の例文
二かげつぶりにあった先生せんせいに、諭吉ゆきちは、中津なかつであったいろいろなことをほうこくし、かりた原書げんしょをうつしてしまったこともはなしました。
実験戸棚のドアが、風にあおられたように、パターンと開く、するとたなに並べてあった沢山の原書げんしょが生き物のようにポーンポンと飛び出してきては、床の上に落ちる。
赤外線男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
己は或るばん、銀座の夜店の古本屋をあさって、シェエクスピアのオセロとハムレットの原書げんしょと文学藝術に関係のある日本文の古雑誌———早稲田文学わせだぶんがくだの文章世界ぶんしょうせかいだのと云うものを五六冊買って来た。
小僧の夢 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
原書げんしょといっても、じゅくにあるのは、物理学ぶつりがく医学いがくほんだけで、一つのしゅるいのものは一さつずつしかなく、ぜんぶで十さつばかりでした。
それは古い化学工業の原書げんしょにあるようなレトルトだの、耐酸性たいさんせいかめだの、奇妙に曲げられた古い硝子管ガラスかんだのが、大小高低だいしょうこうていことにした架台かだいにとりつけられていたのだった。
疑問の金塊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
横文字よこもじをうつすこともたいへんですが、もしも、このことが壱岐いきにわかったら、ただ原書げんしょをとりかえされるだけではすまないかもしれません。