南海なんかい)” の例文
支那しな宝玉ほうぎょくや、印度インド更紗さらさや、交趾コーチものや、その南海なんかいそこかられたさんごなどでかざられていました。
北海の白鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)
彼女の持ち役である南海なんかい女神めがみはその途中で演技が済み、あとは終幕が開くので彼女をのぞく一座は総出そうでの形となって、ひとりジュリアは楽屋に帰ることができるのであった。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ときしも、羽柴筑前守秀吉はしばちくぜんのかみひでよしは、北国ほっこく柴田権六しばたごんろくをうつ小手しらべに、南海なんかいゆう滝川一益たきがわかずます桑名くわなしろを、エイヤ、エイヤ、血けむり石火矢いしびやで、めぬいているまッさいちゅうなのである。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
安政元年十一月四日五日六日にわたる地震には東海とうかい東山とうさん北陸ほくりく山陽さんよう山陰さんいん南海なんかい西海さいかい諸道しょどうことごとく震動し、災害地帯はあるいは続きあるいは断えてはまた続いてこれらの諸道に分布し
時事雑感 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)