)” の例文
彼は美校をて、朝鮮で教師をしていたのだが、そこで喀血すると、すぐ休暇をとって、来た、というけれど、今はもう殆んど平熱になっていた。
老女は大学をたら着せるのだといって、大島のおついの着物を縫わせ、まだ何年後でなければ卒業しない堀のために、箪笥の抽斗にこの紋服同様の大島のおついをしまっていたのである。
我が愛する詩人の伝記 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
それで、尋常科をて、すぐ日本橋筋の古着屋へ女中奉公させられた時は、すこしの不平も言わなかった。どころか、半年余り、よく辛抱が続いたと思うくらい、自分から進んでせっせと働いた。
わが町 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
『そんなら早くなおさなけりゃいかんでしょう、医科をられたんだから、自分で静脈注射も出来ませんか……』
腐った蜉蝣 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
女学校をて、まだ二年ほどしかっていないみち子は、磁気学研究所木曾実験室助手などという肩書が、どうも似合わしからぬほど、襟筋のあたりに幼ない色が残っていた。
宇宙爆撃 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
このポンコツというのは我々鉄道屋仲間の言葉で轢死れきしのことをいうのですが、私も昨年学校をてすぐ鉄道の試験を受け、幸い合格はしたもののどういう関係かさんざじらされた揚句あげく
(新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
始終行き来していた木曾のすすめで丁度学校をたばかりのみち子が、この実験室のこまごまとした用事の手助けに来ている中に、いつしかすっかり一通りの実験の仕方も覚えてしまって
宇宙爆撃 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)