“午夜(ごや)” の例文
御殿場のここの駅路(うまやじ)、一夜寝て午夜(ごや)ふけぬれば、まだ深き戸外(とのも)の闇に、早や目ざめ猟犬(かりいぬ)が群、勢(きほ)ひ起き鎖曳きわき、跳(おど)り立ち啼き立ち急(せ)くに、朝猟の公達か、あな
かたりをはるとき午夜(ごや)の時計ほがらかに鳴りて、はや舞踏の大休(おおやすみ)となり、妃はおほとのごもり玉ふべきをりなれば、イイダ姫あわただしく坐を起(た)ちて、こなたへ差しのばしたる右手(めて)の指に
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
御殿場のここの駅路(うまやぢ)、一夜寝て午夜(ごや)ふけぬれば、まだ深き戸外(とのも)の闇に、早や目ざめ猟犬(かりいぬ)が群、勢(きほ)ひ起き鎖曳きわき、跳(をど)り立ち啼き立ち急(せ)くに、朝猟の公達か、あな
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
かたりおわるとき午夜(ごや)の時計ほがらかに鳴りて、はや舞踏の大休みとなり、妃はおおとのごもりたもうべきおりなれば、イイダ姫あわただしく坐をたちて、こなたへさしのばしたる右手(めて)の指に
文づかい (新字新仮名) / 森鴎外(著)
午夜(ごや)ふけて揺るるものあり。わが窓の硝子戸の外(そと)、真透(ますか)せば月に影して凍(こご)え雲絶えず走れり。円かなる望月ながら、生蒼(なまあを)く隈(くま)する月の、傾けばいよよ薄きを、あな寒(さむ)や揺るる竹あり。
午夜(ごや)ふけて揺るるものあり。わが窻の硝子戸の外(そと)、真透(ます)かせば月に影して凍(こご)え雲絶えず走れり。円(まど)かなる望月ながら、生蒼(なまあを)く隈(くま)する月の、傾けばいよよ薄きを、あな寒や揺るる竹あり。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)