“千断”の読み方と例文
読み方割合
ちぎ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
山下へ出た時は、手も足も寒さにこごえて千断ちぎれそうな気がしたので、とある居酒屋が見つかったのを幸い、そっと暖簾のれんをくぐった。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
それは、色褪いろあせた古金襴こきんらんの袋に入っている。糸はつづれ、ひも千断ちぎれているが、古雅こがなにおいと共に、中の笛までが、ゆかしくしのばれる。
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
食い物もろくに食わずに、土間に立詰めだ。指頭ゆびさき千断ちぎれるような寒中、炭をかされる時なんざ、真実ほんとに泣いっちまうぜ。
新世帯 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)