勇猛ゆうもう)” の例文
だからもし私のような病気に罹った人が、もしこの中にあるならば、どうぞ勇猛ゆうもうにお進みにならん事を希望してやまないのです。
私の個人主義 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
単に男というときは、ただちに男らしいとかあるいは剛毅ごうきとか、あるいは大胆不敵だいたんふてき、あるいは果断かだん勇猛ゆうもう、あるいは任侠にんきょうというような一種の印象いんしょう惹起じゃっきす。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
彼は年来ピンの押入婿おしいりむこであったが、昨秋新に村人の家に飼われた勇猛ゆうもうの白犬の為に一度噛み伏せられてピンをとられて以来、俄に弱っていちじるしく老衰して見えた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
北国勇猛ゆうもうの軍馬をご加勢に送りたいは山々なれど、四りんの国のきこえもいかが、せめては武家の相身あいみたがい、弓取り同士のよしみのしるしまでにもと、この攻城図を
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すなわち前に述べた勇猛ゆうもうとか任侠にんきょうとかという勇ましいところに重きをおいてこの句を用いたのではあるまいか。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
ながいあいだ、なにかにつけてじぶんの前途ぜんとをさまたげていた勝家かついえ自害じがいし、かれと策応さくおうしていた信長のぶなが遺子いし神戸信孝かんべのぶたか勇猛ゆうもう佐久間盛政さくまもりまさ毛受勝介めんじゅかつすけ、みな討死うちじにしてしまった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すなわちニーチェが耶蘇教やそきょう奴隷どれいの道徳と悪口あっこうしたのも無理ならぬことで、現時げんじの戦争にも現れているとおり、基督キリストの言葉が決してそのままに行われておらぬ、むしろその反対の勇猛ゆうもうなる教旨きょうし
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)