おびやか)” の例文
われは眠ることを期せずして、身を藁蓆の上にたふしゝに、さきの日よりの恐ろしき經歴は魘夢えんむの如く我心をおびやかし來りぬ。
太刀打たちうちをしようと思うのだ。おれは女をおびやかして、盗人を働いたなどとは云われたくない。」
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
璧をちて河を渡りける時、河の神の、璧を得まくおもふより波を起し、みづちをして舟をはさましめおどし求むるに遇ひしが、吾は義を以て求むべし、威を以ておびやかすべからずとて
花のいろ/\ (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
もう一度四条河原の小屋をおびやかそうくらいな考えがあるようでございました。
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)