力味りきみ)” の例文
今日けふ香爐形こうろがた以上いじやう珍品ちんぴん掘出ほりだしたいと力味りきみかへつてると、磨石斧ませきふ其燒土そのやけつちなかから掘出ほりだした。
瓜実顔うりざねがおで富士額、生死いきしにを含む眼元の塩にピンとはねたまゆ力味りきみを付け、壺々口つぼつぼぐち緊笑しめわらいにも愛嬌あいきょうをくくんで無暗むやみにはこぼさぬほどのさび、せいはスラリとして風にゆらめく女郎花おみなえし
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「何笑ひおる、」と伊勢武熊は真摯まじめ力味りきみ返つて、「功名こうみやうばなしをするやうぢやがナ、此前このぜん牛飼君が内閣の椅子を占められた時、警部長の内命を受けたが、大丈夫あに田舎侍を甘んぜんや。 ...
貧書生 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
と酒井の前をかばう気で、肩に力味りきみを入れて云ったが、続いて言おうとする
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
やがて、熊城が無理に力味りきみ出したような声を出した。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
というと、先はいっそう力味りきみを入れて
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)