むけ)” の例文
北国ほっこくの暗い空も、一皮むけたように明るくなった。春雨がシトシトと降る時節となった。海棠かいどうの花はつやっぽくほころび、八重桜のつぼみも柔かに朱を差す。
不思議な鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)
六月は水のついたち鬼の朔日、またはきぬ脱ぎ朔日とかむけ節供とかいう類の、由来を考えて見ると面白い名称も多いのだが、結局は昔から定まった食物を調ととのえて、静かに話でもして休む日であった。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)