ざい)” の例文
雲はけ、草はしぼみ、水はれ、人はあえぐ時、一座の劇は宛然さながら褥熱じょくねつに対する氷の如く、十万の市民に、一ざい、清涼の気をもたらして剰余あまりあつた。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「そう仰有おっしゃれば申上げてしまいますが、実はこの金さんはモルヒネざいの中毒患者ですよ」
ゴールデン・バット事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)