別家べっけ)” の例文
しょう一旦いったんは悲痛の余り墨染すみぞめころもをも着けんかと思いしかど、福田実家の冷酷なる、亡夫の存生中より、既にその意の得ざる処置多く、病中の費用を調ととのうるを名として、別家べっけの際
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
ちょっとおかしいが姓ははかま、名は源兵衛といって五十五歳、その人の次男で広太郎、二十三でまだ部屋住み、養子にやるか別家べっけさせるか、金に不自由がない上に、父源兵衛の秘蔵息子
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
彼様な奴だから三十両か四十両の端金はしたがねで手を切って、お前をうちへ連れて行って、身体さえ丈夫になれば立派な処へ縁附ける、も無ければ別家べっけをしてもい、彼奴あいつ面当つらあてだからな、えゝ
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
うでなければ己が方の別家べっけえさせるから一緒に行くか
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)