初松魚はつがつを)” の例文
塩鯛の歯ぐきも寒し魚のたな。此句、翁曰、心づかひせずと句になるものを、自讃に足らずとなり。又かまくらをいきて出でけん初松魚はつがつをと云ふこそ心の骨折ほねをり人の知らぬ所なり。
芭蕉雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
糶呉服せりごふくりたのさへかへさない……にもかゝはらず、しやちたいして、もんなしでは、初松魚はつがつを……とまでもかないでも、夕河岸ゆふがし小鰺こあぢかほたない、とかうさへへば「あいよ。」とふ。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)