切崖きりぎし)” の例文
「——知らぬか、ついこの先の切崖きりぎしで、石川兵助が拝郷五左衛門を討ち取り、石川の一番槍なりと、片桐助作が代って名乗りあげておったのを」
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これはおかで探るより、船で見る方が手取てっとり早うございますよ。樹の根、いわの角、この巌山の切崖きりぎしに、しかるべきむろに見立てられる巌穴がありました。
半島一奇抄 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
岬や海や、赭土しゃど切崖きりぎしや旅館の窓や、そして船までもがみんな睡つたやうに静まり返つてゐるあの温泉町。私の病身も半年ものあひだ養つてくれたあの温泉町。
恢復期 (新字旧仮名) / 神西清(著)
うら寒くすゞのやうなる雨降りぬイザルの川の秋の切崖きりぎし
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
城のほりなる切崖きりぎし
騎士と姫 (新字旧仮名) / 末吉安持(著)
山の切崖きりぎし
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)