凍傷とうしやう)” の例文
お杉はゴクリと固唾かたづを呑んで、三白眼を大きく見開きます。肩に肉の付いた、手は凍傷とうしやうあとのある、なりふり構はぬ姿です。
北海道ほくかいだう移住後いぢゆうご冬時とうじ服裝ふくさうは、内地ないちりしときほとんどことならず。しかして當地たうち寒氣かんき左程さほどかんぜざるのみならず、凍傷とうしやうとう一度いちどをかされたることあらず。
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
私たちは、長靴を持つてゐなかつたし、雪が靴の中に這入つて來て中でけるし、手套てぶくろを嵌めない手は、すつかりかじかんで、兩足と同じく、凍傷とうしやうが出來てゐた。
凍傷とうしやうの膝に藁巻きゐざりけるをぢさが富める外套は見よ
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)