冥護めいご)” の例文
しかるに、これを崇拝して冥護めいごを得んとし、これに祈願して現福を授からんとするもののごときは、迷信の大なるものである。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
凡そ英雄豪傑の伝記を読むと、何となく天がその人の運命に特別な冥護めいごを垂れ、彼はそのお蔭で、しば/\常人の企て及ばざる危地を蹈みながら無事に虎口ここうを脱出するかの如くに見える。
先を争って天幕テントりまわすと、手に手におこういたり、神符しんぷを焼いたりして崑崙山神の冥護めいごを祈ると同時に、盛大なお茶祭を催して、滅亡ほろびた崑崙王国の万霊を慰めるのだそうですが
狂人は笑う (新字新仮名) / 夢野久作(著)
天なるかな、この冥護めいご、絶好の機逸すべからず。万計すでに備われり。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ふかく、こんとんと冥護めいごの谷底へおちる。
藍色の蟇 (新字旧仮名) / 大手拓次(著)
もし、宗教をもって真怪の範囲内に入るるときは、純正哲学と同一の理論に帰し、世のいわゆる宗教、すなわち神仏の冥護めいご等を説くことあたわざるに至らんというものあり。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)