冥利めうり)” の例文
、十九で殺しちやもつたいなさ過ぎます。ね、親分。十手冥利めうりにこいつは是が非でも下手人をあげて、思ひ知らさなきや蟲が納まりませんよ
あんまり冥利めうりがよくあるまいとへば御親切ごしんせつありがたう、御異見ごゐけんうけたまはおきましてわたしはどうもんなやつむしかないから、ゑんとあきらめてくださいと人事ひとごとのやうにいへば
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「全くその通りさ、親分、——その普賢菩薩が、時々涙を流して居るから不思議ぢやありませんか、岡つ引冥利めうり、一遍は見て置かなくちや——」
あんまり冥利めうりがよくあるまいと言へば御親切に有がたう、御異見は承り置ましてわたしはどうもあんな奴は虫が好かないから、無き縁とあきらめて下さいと人事のやうにいへば
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「大丈夫だ。そんなことはあるまいが、俺はどうしてあの子供を殺したか、それが知りたいんだ。岡つ引き冥利めうりだ、心配することはないから、放つて置いてくれ」