“内濠”の読み方と例文
読み方割合
うちぼり100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
下城したときはもうすっかりれていた。かなり強い北風で、道から砂埃すなぼこりが舞いあがり、内濠うちぼりの水は波立って、頻りに石垣を打つ音が聞えた。
はたし状 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
城内にもひとすじの内濠うちぼりがあったが、そこは溝渠こうきょのような幅しかない。累々るいるいと重なりあう死骸の血が、そこの水まであかくした。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
友達に別れると、遽然にわかに相川は気の衰頽おとろえを感じた。和田倉橋から一つ橋の方へ、内濠うちぼりに添うて平坦たいら道路みちを帰って行った。
並木 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)