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其手紙
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そのてがみ
で、
其手紙は一
時私の
手に
押収することにして、一
旦机の
抽斗の
底へ
入れて
見たが、こんな
反故屑を
差押へて
其が
何になるか。
頼まれ
毎度頼み置し事有しが
其手紙は何方へ屆けしやと尋ねけるに
亭主答へて私し方は
道端の見世故在々へ頼まれる手紙は日々二三十
本程も有ば一々に覺え申さず
殊に二十二三年跡の事なれば
猶更存じ申さずと
答へけるにいよ/\澤の井の
宿所の
手懸なく是に依て次右衞門三五郎の兩人は
色を