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兵士達
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へいしたち
兵營から
既に十
里に
近い
行程と、
息詰るやうに
蒸し
蒸しする
夜の
空氣と、
眠たさと
空腹とに
壓されて、
兵士達は
疲れきつてゐた。
が、
暫くすると
中根の
話にも
倦きが
來た。そして、三十
分も
經たない
内にまた
兵士達の
歩調は
亂れて
來た。ゐ
眠りが
始まつた。
四
列縱隊は五
列になり三
列になりして、
兵士達はまるで
夢遊病者のやうにそろそろ
歩いてゐるのだつた。