八咫烏やたがらす)” の例文
この宇陀には、兄宇迦斯えうかし弟宇迦斯おとうかしというきょうだいのあらくれ者がおりました。命はその二人のところへ八咫烏やたがらすを使いにお出しになって
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
天つ神の御子、こよ奧つ方にな入りたまひそ。荒ぶる神いとさはにあり。今天より八咫烏やたがらすつかはさむ。かれその八咫烏導きなむ。
あるいは黄泉国よみのくにという名が出ると、それは出雲国のことだと説く。あるいはまた八咫烏やたがらすが皇軍の道しるべをしたとあると、その八咫烏は人の名であると解釈する。
神代史の研究法 (新字新仮名) / 津田左右吉(著)
鹿は春日かすがの第一殿鹿島かしまの神の神幸みゆきの時乗りたまいし「鹿」から、からす熊野くまの八咫烏やたがらすの縁で、猿は日吉山王ひよしさんのうの月行事のやしろ猿田彦大神さるだひこおおかみの「猿」の縁であるが如しと前人も説いているが
魔法修行者 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
熊野において八咫烏やたがらすが道案内をいたしまして以来、熊野地方も宮方でござって、王事に尽くしたものでございまするが、現在の熊野の別当職、定遍僧都じょうへんそうずは遺憾ながら無二の武家方でございますれば
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
大空の神のお子よ、ここからおくへはけっしてはいってはいけませんよ。この向こうにはらくれた神たちがどっさりいます。今これから私が八咫烏やたがらす
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
この時に宇陀うだにエウカシ・オトウカシという二人ふたりがあります。依つてまず八咫烏やたがらすを遣つて、「今天の神の御子がおいでになりました。お前方はお仕え申し上げるか」
天の神の御子よ、これより奧にはおはいりなさいますな。惡い神が澤山おります。今天から八咫烏やたがらす
八咫烏やたがらす
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)