儒生じゅせい)” の例文
山村の一儒生じゅせい烏滸おこなる言とお怒りなくば、一言申してみましょう。——一体、治乱とは、この世の二つのそうかまた一相か。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
うらむらくは、通篇つうへん儒生じゅせい口吻こうふん多くして、説話は硬固勃率こうこぼっそつ、談笑に流暢尖新りゅうちょうせんしんのところすくなきのみ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
開州かいしゅうの軍将に冉従長せんじゅうちょうという人があって、財をかろんじて士を好むというふうがあるので、儒生じゅせいや道士のたぐいは多くその門に集まって来たが、そのなかに※采ねいさいという画家もまじっていた。
いま呂蒙もく、国中この難局に心をいため、これらの故人を、仰ぎ慕うこと、まことに切なるものがありますが、まだ以て、黄口こうこうの一儒生じゅせいにすぎない陸遜を目して
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
師の日野民部忠経ただつねは、元南家なんけ儒生じゅせいで、儒学においては、ちょう陰陽師おんみょうじの安倍泰親やすちかに日野民部といわれるほどであったが、磊落らいらくたちで、名利を求めず、里にかくれて、児童たちの教育を
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)