おほ)” の例文
けれどそれは所詮、菊池さんの持ち味といふべきもので、取つて範とするにはおほきすぎるし、矛盾だらけでひとには眞似られるものではなかつた。
折々の記 (旧字旧仮名) / 吉川英治(著)
この男はいかにもおほきな荒々しい樣子をしてゐるので、それがたしかに彼女をおぢけさせた。
試みに先生等身の著作を以て仏蘭西羅曼フランスロマン主義の諸大家に比せんか、質は擎天けいてん七宝の柱、メリメエの巧を凌駕すく、量は抜地無憂の樹、バルザツクの大に肩随けんずゐす可し。先生の業またおほいなる哉。
「鏡花全集」目録開口 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
しづけくておほき機構の刷り出づる百円紙幣さつうつしけなくに
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
皇帝の方に振向いて、おほいなる名に茫然自失ぼんやりしてゐる。
ああおほいなる敗者よ、君が名は
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
そのおほいなる心はとこしへに
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
ああおほいなる敗将、軍神の
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)