信女しんにょ)” の例文
「こ、こりゃ女の仏じゃな。はっはっは、し、し、し、信女しんにょじゃ。か、門亡者にはうってつけじゃて」
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
白粉おしろいだ。——誰か悪戯に塗ったと見えます。ちょッ馬鹿な……御覧なさい、薄化粧ですぜ。この様子じゃ、——信女しんにょ……とある処へ、べにをさしたかも知れません。」
露萩 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
碑のおもての戒名は、信士とも信女しんにょとも、苔に埋れて見えないが、三つづたの紋所が、その葉の落ちたように寂しくあらわれて、線香の消残った台石に——田沢氏——とほのかに読まれた。
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
わか世捨人よすてびとな、これ、坊さまも沢山たんとあるではないかいの、まだ/\、死んだ者に信女しんにょや、大姉だいし居士こじなぞいうて、名をつけるならいでござらうが、何で又、其の旅商人たびあきうど婦人おんな懸想けそうしたことを
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)