供頭ともがしら)” の例文
そこで家老とお供頭ともがしらとの間に、烈しい口論がありました。口論ではなく家老がお供の者たちをののしって
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
供頭ともがしら安積玄心斎、谷大八、脇本門之丞と、名だたる三人がいっしょだから、一同なんの心配もなく、かえって、鬼のいぬ間の洗濯と、宵から大酒盛をやったあげく
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
立出で行列ぎやうれつ以前よりも華美くわびよそほひて藤井左京赤川大膳だいぜん供頭ともがしらとなりて來る程に途中とちうの横町々々は大戸を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
居合わした供頭ともがしららしい尾州家の藩士が、ぎょッならんばかりにうろたえながら、荒々しくこづき返すと、江戸八百八町の大立て物をなんと見誤ったものか、けわしくきめつけました。
時に棟に通ずるくだん階子はしごを棟よりして入来いりきたる、岩代国いわしろのくに麻耶郡まやごおり猪苗代の城、千畳敷のぬし、亀姫の供頭ともがしら、朱の盤坊、大山伏の扮装いでたち、頭にさいのごとき角一つあり、まなこつぶらかにつらの色朱よりも赤く、手と脚
天守物語 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
供頭ともがしらの口からその趣をしかじかと帝へ奏聞そうもんした。
きりしとほろ上人伝 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
供頭ともがしら亘理蔵人わたりくらんどどのから聞いたのです」
供頭ともがしらが見舞いにいったら、野郎め、どこかへ雲隠れして見えねえっていうんですよ。
供頭ともがしらの発する制止の声です。