何方様どちらさま)” の例文
旧字:何方樣
友「へい/\、どういたしまして新店しんみせのことで、何方様どちらさまへでも参ります、う云う物が御入用様でげすか、えー宅にありませんでも取寄せて御覧に入れます」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
『はい、瀬川は手前でごはすよ——失礼乍ら貴方あんた何方様どちらさまで?』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「三つぐらいならあります、何方様どちらさまでございましょう」
黄灯 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
それにまだ世間せけんには売物ばいぶつにないと結構けつこうなお下物さかなでせうなんだか名も知らない美味物許うまいものばかりなんで吾知われしらず大変たいへんつちまひました、それゆゑ何方様どちらさまへも番附ばんづけくばらずにかへつたので
世辞屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
何方様どちらさまでございましょう」
萌黄色の茎 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
此の頃は何方様どちらさまへ参りましても洋犬かめが居りまして、其の洋犬かめが御主人の使つかいをいたし、あるいは賊を見て吠える所で見ますれば、他人と主人とはちゃんと自然に其の区別を知って居りますので。
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
小「何方様どちらさまからお出でゞございます」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
取寄せて持参致しますが何方様どちらさま
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
婢「はい入らっしゃい何方様どちらさま
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)