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仮初
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かりそ
ふりがな文庫
“
仮初
(
かりそ
)” の例文
旧字:
假初
思え、ただ
仮初
(
かりそ
)
めの恋にも愛人の
頬
(
ほお
)
はこけるではないか。ただいささかの子の病にも、その母の眼はくぼむではないか。
惜みなく愛は奪う
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
仮初
(
かりそ
)
めならぬ人のために終身の
謀
(
はかりごと
)
だになしやらずして今急に離縁せん事思いも寄らず。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
処もあろうに現代文化の
淵叢
(
えんそう
)
であり権威である九州帝国大学のまん中の、まひるの
真只中
(
まっただなか
)
に、ほとんど
仮初
(
かりそ
)
めに私の指先に触れたと思う間もなく、早くもその眼に見えぬ魔手をさし伸ばして
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
左
(
さ
)
りとて
唯
(
ただ
)
これを口に言うばかりでなく、近く自分の身より始めて、
仮初
(
かりそ
)
めにも言行
齟齬
(
そご
)
しては
済
(
す
)
まぬ事だと、
先
(
ま
)
ず一身の私を
慎
(
つつ
)
しみ、一家の生活法を
謀
(
はか
)
り、他人の世話にならぬようにと心掛けて
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
満足するというよりは、人の現象と
称
(
とな
)
えるものも、人の実在と称えるものも、
畢竟
(
ひっきょう
)
は意識の——それ自身が仮象であるところの——
仮初
(
かりそ
)
めな遊戯に過ぎないと傍観する。
惜みなく愛は奪う
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
▼ もっと見る
一時火のように何物をも焼き尽くして燃え上がった
仮初
(
かりそ
)
めの熱情は、圧迫のゆるむとともにもろくも
萎
(
な
)
えてしまって、葉子は冷静な批評家らしく自分の恋と恋の相手とを見た。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
その冷ややかな目の光は
仮初
(
かりそ
)
めの男の心をたじろがすはずだった。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
仮
常用漢字
小5
部首:⼈
6画
初
常用漢字
小4
部首:⼑
7画
“仮”で始まる語句
仮令
仮
仮面
仮借
仮名
仮髪
仮声
仮病
仮睡
仮寝