“令名（れいめい）” の例文
校長として令名（れいめい）を馳（は）せ、一音楽家にして上院の終身議員となり、功成り名（な）遂（と）げて一九〇四年五月一日六十三歳をもって没した。
楽聖物語 (新字新仮名) ／ 野村胡堂、野村あらえびす(著)
「権力（けんりょく）を代表せられる令名（れいめい）高き閣下（かっか）は、わたくしの一座（いちざ）の俳優（はいゆう）どもに、口輪（くちわ）をはめろというご命令（めいれい）でございますか」
家なき子：01 （上） (新字新仮名) ／ エクトール・アンリ・マロ(著)
博士はこの極東科学株式会社化学研究所長として令名（れいめい）があるばかりではなく、「日本のニュートン」と世界各国から讃辞（さんじ）を呈せられるほどの大科学者で
国際殺人団の崩壊 (新字新仮名) ／ 海野十三(著)
と考えあぐんだ末が、出入りの者の助言で、素人探偵として令名（れいめい）ある明智小五郎を訪ねて、ひそかに智恵を借りることにしようと相談が纏まったのである。
黄金仮面 (新字新仮名) ／ 江戸川乱歩(著)
令名（れいめい）ある先生は、専門の研究に必要でない本でも、それが何等かの意味で、現代学生の思想なり、感情なりに、関係のある物は、暇のある限り、必（かならず）一応は、眼を通して置く。
手巾 (新字旧仮名) ／ 芥川竜之介(著)
と父親は相変らず小学校長として令名（れいめい）を博していた。
凡人伝 (新字新仮名) ／ 佐々木邦(著)
このさるは『権力（けんりょく）が代表せられる令名（れいめい）高き閣下（かっか）』の真後（まうし）ろに座（ざ）をかまえてこっけいなしかめっ面をして見せていた。
家なき子：01 （上） (新字新仮名) ／ エクトール・アンリ・マロ(著)
この人はそれよりも指揮者として令名（れいめい）があり、フランス近代のものをかなりたくさんレコードしている。
楽聖物語 (新字新仮名) ／ 野村胡堂、野村あらえびす(著)