仏国ふつこく)” の例文
旧字:佛國
仏国ふつこくボーフォールに生れた彼は、一八九〇年ブサンソンの第六十聯隊に勤務したが既にその頃から野性を発揮して同僚達に恐れられはじめた。
余かつて仏国ふつこくより帰来かえりきたりし頃、たまたま芝霊廟しばれいびょうの門前に立てる明治政庁初期の官吏某の銅像の制作を見るや
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
大会へ招待されたのは、当の仏国ふつこくのほかに、えいどく西スペインにちの六ヵ国でした。
国際射的大競技 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
定義できめてしまっては世の中の事がわからなくなると仏国ふつこくの学者はいうている。
教育と文芸 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
雲巌寺は開基五百余年の古寺ふるでらで、境内に後嵯峨ごさが天皇の皇子おうじ仏国ふつこく国師こくしの墳墓がある。
本州横断 癇癪徒歩旅行 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
今一つの事例は、千六百三十七年仏国ふつこくにて証明せられし出来事にして、是等は此類の事件を信ずる者の必ずしも無教育者若しくは迷信家のみにあらざることを証するに余あるやう存ぜられ候。
仏国ふつこく少年バクスターはだまって階段をおりた。あらしこくこくにその勢いをたくましゅうした。船の名はサクラ号である。ちょうどさくらの花びらのように船はいま波のしぶきにきえなんとしている。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
余かつて仏国ふつこくより帰来かえりきたりし頃、たまたま芝霊廟しばれいびょうの門前に立てる明治政庁初期の官吏ぼうの銅像の制作を見るや
浮世絵の鑑賞 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
然るになほ妻を伴ひて久しく伊太利亜イタリアに遊べり。日本人にして家族と共に伊太利亜に遊び得るもの果して幾人かある。ピエール・ロッチは仏国ふつこく海軍の士官たり。
矢立のちび筆 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
春信が明和二年始めて多数の板木を用ゐて錦絵を案出したりし当時の制作は最も上乗じょうじょうのものにして、仏国ふつこくの浮世絵蒐集家しゅうしゅうか中には特に明和二年板の春信のみを集むるものありといふ。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)