中泉なかいづみ)” の例文
中泉なかいづみが一大事の訴状を持つて二人の少年が来たと云ふのを聞くと、堀はすぐにあの事だなと思つた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
さんぬるとし中泉なかいづみから中尊寺ちうそんじまうでた六ぐわつのはじめには、細流さいりうかげ宿やどして、山吹やまぶきはなの、かたかひきざめるがごといたのをた。かれつめた黄金わうごんである。これあたゝかき瑠璃るりである。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
吉見の父が少年二人を密訴みつそに出したので、門番も猜疑心さいぎしんを起さずに応対して、かへつて運びが好かつた。門番の聞き取つた所を、当番のものが中泉なかいづみに届ける。中泉が堀に申し上げる。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)