両臂りょうひじ)” の例文
旧字:兩臂
肌着は浅黄羽二重あさぎはぶたえの綿入、鎖帷子くさりかたびらを着こみ、茶裏の黒小袖の袂を短く縫いこみ、両臂りょうひじには一重差ひとえざしの甲無し籠手ごてき、大真田おおさなだたすきをかけ、鎖股引くさりももひき陣草鞋じんわらじ
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
口を堅くむすんで何かに耐えている悲壮な表情である。その一心の願が、たくましい肩と両臂りょうひじをとおして、やがて胸の上に堅く合わされた強烈な合掌となるのであろう。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
第八の娘は両臂りょうひじを自然の重みで垂れて、サントオレアの花のような目は只じいっとくうを見ている。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
主翁ていしゅ両臂りょうひじを張るようにした。
黄灯 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
怪我は両臂りょうひじを傷めたので骨にはさわらなかったがいたみが久しくまなかった。五郎作は十二月の末まで名倉へ通ったが、臂のしびれだけは跡にのこった。五十九歳の時の事である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)