下性げしょう)” の例文
うちへ来た当座は下性げしょうが悪くて、食い意地がきたなくて、むやみにがつがつしていたので、女性の家族の間では特に評判がよくなかった。
子猫 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
冬彦集ふゆひこしゅう』のねずみと猫の中に、誰にも嫌われた或る猫の下性げしょうを直すために、土を入れた菓子折を作って、「何遍なんべんとなく其処そこへ連れて行っては土の香をがして」
指導者としての寺田先生 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
下性げしょうが悪くって寐小便ねしょうべんの始末に困った事だの、すべてそうした顛末てんまつを、飽きるほどくわしく述べた中に、甲府こうふとかにいる親類の裁判官が、月々彼女に金を送ってくれるので
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
一軒隣は按摩あんまだと云うじゃねえか。取附とッつきの相角がおでん屋だッて、かッと飲んだように一景気附いたと思や、夫婦で夜なしに出て、留守は小児こどもの番をする下性げしょうの悪いじいさんだと言わあ。
菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
下性げしょうの悪いのは少し気をつけて習慣をつけてやれば直るだろうと思った。それでまずボール箱に古いネルの切れなどを入れて彼の寝床を作ってやった。
ねずみと猫 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
どうしてもどろぼう猫の性質としか思われないものをもっているようである。その上にこの猫はいわゆる下性げしょうが悪かった。毎夜のように座ぶとんや夜具のすそをよごすのであった。
ねずみと猫 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)