三方みかた)” の例文
いくら民部みんぶ蔦之助つたのすけがいるように見せかけていたッて、だめだだめだ、おれも親方おやかたも、ちゃんと三方みかたはらであいつらを見ているんだから。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
元亀三年十二月二十二日、三方みかたヶ原の戦に於て、信玄は浜松の徳川家康を大敗させ、殆ど家康を獲んとした。夏目次郎左衛門等の忠死なくんば、家康危かった。
長篠合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
渋川はその祖先なにがしが三方みかたはら退口の合戦に花々しい討死を遂げたという名家で、当代の主人伊織助は従弟同士の播磨と殆ど同年配の若者であるが、その後見をする母の真弓は
番町皿屋敷 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
字・小字の新地名は数字以外にもずいぶん頓狂とんきょうなものがある。二三の例をいうと若狭わかさ三方みかた郡の八村やむらの大字に気山きやまというのは久々子くぐし湖の東岸である。この気山の字がなかなか面白い。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
三方みかたはらには一騎の脱走
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
蔦之助つたのすけむちも折れろとばかり、ぴゅうッと馬背ばはいを打ってさけんだ。馬もはやいがより以上いじょうに、こころは三方みかたはらにいっている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
前年前田雄三君から聴いた話は、越前丹生にう三方みかた村大字杉谷の、勝木袖五郎という近ごろまで達者でいた老人、今から五十余年前に十二三歳で、秋の末に枯木を取りに村の山へ往った。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
あの金瞳きんどう黒鷲くろわしともうしますものは、今年の春のくれつかた三方みかたはら万千代まんちよさまが、にせものの独楽こままわしにとられたものでござります。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(若狭郡県志。福井県三方みかた郡山東村阪尻)
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
三方みかたはら以後、わずかまる三年とも経たないうちに、その興隆ぶりを、同盟国の織田や、敵国の武田とくらべてみても
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鼻も耳もがれるばかり寒い。弱い冬陽をかすめて、三方みかたはらの方面に、赤い土ほこりが舞っている。久しく雨がなかったので、空気は乾ききっている。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
三方みかたはらであった。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
三方みかたはら
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)