七子なゝこ)” の例文
むかがは湯屋ゆややなぎがある。此間このあひだを、をとこをんなも、一頃ひところそろつて、縮緬ちりめん七子なゝこ羽二重はぶたへの、くろ五紋いつゝもんした。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
黒羽二重くろはぶたえ熨斗目のしめの紋附に羽織袴を着けて立った姿は、縁側一杯に照らす麗かな日をまともに浴びて黒い七子なゝこの羽織地が銀沙ぎんすなごのようにきら/\光って居る。
少年 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)