一足先ひとあしさき)” の例文
危險あぶな御座ございます」とつて宜道ぎだう一足先ひとあしさきくら石段いしだんりた。宗助そうすけはあとからつゞいた。まちちがつてよるになると足元あしもとわるいので、宜道ぎだう提灯ちやうちんけてわづかちやうばかりみちらした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
そこで一休みしてから、「わしはまア後で行くで、お前たちは人力車くるま一足先ひとあしさきへ行っとれ。」と言って、よく東京を知っている父親は物馴ものなれたような調子で、構外へ出て人力車くるまを三台あつらえた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)