一般いっぱん)” の例文
子路という特殊な個人に在ってはかえって魅力みりょくとなり得るものが、他の門生一般いっぱんについてはおおむね害となることが多いからである。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
それどころか、一般いっぱんの塾生たちと同じように、それぞれどの班かに割り当ててもらって、班長の指揮のもとに働くようにしていたのである。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
さかいなどの唐綾からあや唐錦からにしき唐刺繍からぬいものたぐいから、まだ一般いっぱんには珍しいゴブラン、印度金紗インドきんしゃ、南蛮織のあらゆる物まで、あつめてそのすいらしたものだった。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なぜなら日本においても、それほど貞淑な妻や善良な姑は、一般いっぱんに沢山は居ないからである。
復一の人生一般いっぱんに対する考えも絶望的なものになって来て、その青寒い虚無感きょむかんは彼の熱苦るしい青年の野心の性体を寂しく快く染めて行き、静かな吐息を肺量の底をかたむけて吐き出さすのだった。
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
憔悴一般楊柳在 憔悴しょうすい一般いっぱんの 楊柳ようりゅうりて
向嶋 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
野花啼鳥やかていちょう一般いっぱんはる、か」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
一般いっぱんの青年たちにも普及ふきゅうさせていたので、最後にはみんなでそれをおどり、一座に加わっていた老師を子供のように喜ばせたのであった。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
それに、上級学校にせきをおかなくても、それぐらいの知識が得られるということを一般いっぱんの勤労青年に知ってもらうこともたいせつではないでしょうか。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)