“よとり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
世嗣25.0%
世取25.0%
世子25.0%
夜禽25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お秋の方のお腹の菊之助様をお世嗣よとりに仕ようと申す計策たくみではないかと存ずる、其の際此の密書ふみを中ば引裂ひっさいて逃げましたところの松蔭大藏の下人げにん有助と申す者が
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
これは春部氏祖五郎殿の申さるゝが至極もっともかと存じます、菊様はいまだお四才よっつで、何のおわきまえもない頑是がんぜない方をお世嗣よとりに遊ばしますのも、と不都合かのように存じます
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
やゝもすれば御家来をお手討になさるような事が度々たび/\ある、斯様な方がお世取よとりに成れば、お家の大害だいがい惹出ひきいだすであろう、しかる処幸い前次様は御病気、ことにお咳が出るから
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
娘の親が人間同士のなかでさえ、自分ばかりは、思い懸けない海の幸を、黄金こがねの山ほどつかみましたに因って、他の人々の難渋ごときはいささか気にも留めませぬに、海のお世子よとりであらせられます若様。
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あの阿魔あまでもなくッて、荒れ寺の中から、金切ごえを聴かせる奴があるか——な、あの、かすかなかすかな物の気配——ありゃあ夜禽よとりの声でもねえ、物ずきが、胡弓こきゅうを弾いている音いろでもねえ
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)