“やりすご”の漢字の書き方と例文
語句割合
遣過100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
先刻さっき餅菓子を買われた時、嬉しそうに莞爾にっこりして、酌をする前に、それでも自分で立って、台所の戸障子を閉めて、四辺あたりを見たから、その時は戸袋へ附着くッついて、色ッぽい新造の目を遣過やりすごしておいて
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
宮は鳩羽鼠はとばねずみ頭巾ずきんかぶりて、濃浅黄地こいあさぎぢに白く中形ちゆうがた模様ある毛織のシォールをまとひ、学生は焦茶の外套オバコオトを着たるが、身をすぼめて吹来るこがらし遣過やりすごしつつ、遅れし宮の辿着たどりつくを待ちて言出せり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
見返りしに人影もなく丁度ちやうど往來も途絶とだえしかばその邊にて殺さんと思へども此奴きやつ勿々なか/\の曲者なれば容易たやすくうしなひ難しれども幸ひ今宵はやみにてくらさはくらしいかにも遣過やりすごしてと思ひ故意わざと腰を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)